家族関係登録簿の事例7.
完成まで1年1か月を要した家族の登録簿整理
初日:
京都府在住の3世女性からメールで問い合わせを頂いた後、電話にて家族4人の登録簿整理の依頼を受ける。
伺ったところ、10年ほど前にご自身と母親は「朝鮮籍」を「韓国籍」に変えた。ところが母方の祖父母が既に亡くなっており家族関係が証明できずパスポートを取得できないでいる。父親は既に他界した。弟が一人いる。
どのような手続きをしたらパスポートを取得できるかわからないので専門事務所に依頼したいとのこと。
先ずは父親と、母方の祖父母の除籍謄本等を取り寄せるための委任状用紙と説明書を依頼者にお送りする。
60日目 取り寄せの手続きをする。
78日目 父親の家族関係登録証明書等が来る。
108日目 母方の祖父母の除籍謄本等が来る。母親は載っていない。
整理方法が確定する。
◇第一段階
- 母親の「家族関係登録創設許可申請」
◇第二段階
- 父母の「婚姻の家族関係登録簿整理申請」
- 依頼者の「出生の家族関係登録簿整理申請」
- 弟の「出生の家族関係登録簿整理申請」
- 父親の「死亡の家族関係登録簿整理申請」
日本の役所発行の「出生届」「婚姻届」「死亡届」上の名前・生年月日が韓国家族関係登録簿とで相違しているとのことなので、まずは申請に必要な書類を当事務所に送って頂き、現物を確認した上で対処することにする。
118日目:
直ちに、申請用紙と説明書を依頼者宛にお送りする。
330日目
依頼者から当事務所に署名・捺印された申請用紙と各種証明書が到着。
直ちに母親の「家族関係登録創設許可申請」の手続きを昌原地方法院 馬山支院にする。同時に指定した登録基準地の面事務所に創設された登録簿の証明書を前もって申請する。
「創設」以外の手続きに必要な書類を確認したところ日本の役所発行の「出生届」「婚姻届」「死亡届」上で、両親の名前・生年月日等が韓国・家族関係登録簿上とで相違するので「家族関係登録簿優先のルール」に従って、日本の役所の各種届出に対して「追完届」をするようにする。
当事務所より依頼者宛に「追完届」に必要な書類一式をお送りする。
380日目
「創設」が無事許可され新たに作成された家族関係登録簿の証明書が来る。
「追完届」がなされた各種証明書が到着。
早速、残りの第二段階の申請を父親の登録基準地の面事務所にする。
400日目:
全ての申請が無事受理され、家族全員の家族関係登録簿の各種証明書が到着。直ちに各種証明書及び登録簿整理後の手続きに関する「案内文」をお送りする。依頼完了。
<所長雑感>
この事例では、母親の両親の戸籍上の婚姻申告(1940.4)は済んでいました。ところが甚だ残念なことに母親(2世、1946.3生)自身の「出生届の証明書」が日本の役所で挙がらないので、やむを得ず「創設」することにしました。
同様の件でお悩みの方は当事務所にお問い合わせください。
整理に1年1か月を要しましたが、これは手続きに日数が必要であった側面と依頼者自身の仕事が多忙で役所に出向く時間が中々取れなかったという側面があります。いずれにせよ本当にご苦労様でした。了。