焼肉店の「タン塩」メニューの全国波及。

ケーシー高峰
1979年頃の話です。
母親が焼肉店を岐阜市柳ケ瀬の大通りに面した場所でやっていました。そこそこいい場所なのでたまに有名人もやって来ました。私も2年ほど手伝いしたことあります。
その日は、“白衣の医事漫談家・ケーシー高峰”が付き人と一緒にやって来ました。
「牛タンをタレではなく塩コショウだけでください。それとレモン汁を付けてくれますか?」「塩コショウとレモン汁ですね。承知しました。」
当時、岐阜ではまだ、牛タンもロースやカルビと同じようにタレで味付けして出していました。
当時の話をのちの時代に、叙々苑の社長の話として聞いたことあります。
1976年、叙々苑が六本木に1号店を開店。創業者が食肉業者に新メニューを相談したところ「タンをやりなよ」と助言され、タン塩が誕生した。その後、客のクラブホステスの「タレがないならレモンを絞って食べたい」という発想から試したところ好評で、定番の「タン塩にはレモン」が生まれた。これが叙々苑発祥説とされている。
このエピソードは「焼肉革命」に記されており、まさに偶然と顧客の声から定番が生まれた物語です。そして日本全国に波及しました。了。

叙々苑 JR京都伊勢丹店にて
