「ラーメン、麺抜き事件!」 麺、いずこへ?

大阪・御堂筋に面した西心斎橋の駐大阪大韓民国総領事館(2022.6月新築竣工)
今から37年前、1988年ごろの話です。そう、ソウルオリンピックがあり、アサヒビールの“スーパードライ”の人気に火がついたころの話です。
ある日のこと、大阪のとある豚骨ラーメン屋さんに、知人と2人で行きました。まだ博多発の豚骨ラーメンが九州以外では認知度が低かった時代の事です。豚骨ラーメンといえば、スープと麺が黄金コンビ!その味わいを求める一杯…のはずでした。
けれど、知人が放った一言が、店内の空気をピキンと凍らせたのです。
「ラーメンひとつ、麺抜きで!」
店員さん、完全に動揺。「エーッ、麺抜きですかっ!」と驚愕の表情で声が裏返っていました。こちらも心の中で、「いやいや、それってただのスープちがうの!」と思いつつ、何が起こるかワクワク。
結果、その日は「麺抜きラーメン」が堂々登場。そして驚いたことに、なんと代金が半額に!斬新なオーダーでも対応してくれる店員さんの懐の広さに感謝しながら、知人はラーメンスープを堪能しました。
ところが!翌回、知人が同じ注文をしてみると…。そう、今度は代金が半額ではなく“全額”に戻っていたのです。どうやら店側も「麺抜き」という概念に短期間で適応して来たのです。ウーム、腕上げましたねえ。
これ以来、麺抜きラーメンを頼むたび、店員さんのリアクションを見るのが密かな楽しみになりました。時には「どういう意図で?」と尋ねられることも。そのたびに、「スープに全精力を傾けたい」と全力で真顔で答えます。
知人曰く、「ラーメン食べたいけど小麦粉アレルギーやねん。」(笑)